SESはAIにとってかわれるのか?将来の不安について

この記事では、AIの進化によってSESという働き方がどのように変化し、どんな不安が生まれているのか、そして今後のキャリアをどう築いていくべきかを、私自身の経験を交えてお話ししたいと思います。
目次
SESとAIの関係性:本当にSESは不要になるのか?
最近、「AIの進化でもうSESは必要なくなるのでは?」という話をよく耳にします。しかし、私自身の実感としては、すべてのSESが不要になるわけではなく、求められる役割が変化しているというのが正しい見方だと考えています。
AIで代替されやすい業務
- 単純なCRUDのコーディング
- テストの自動化
- 仕様書からのコンポーネント生成
- 定型文の作成や修正
AIでは代替しにくい業務
- 要件のヒアリングと整理
- 人間関係や利害調整
- 複雑なレガシーの理解と改修
- 組織横断の設計やマネジメント
これらの「人間らしさ」や「現場感」が求められる業務は、依然として人の手が必要とされています。
単価の安いSESが今後も必要とされる理由
AIの導入が進んでいない企業や、レガシー環境を多く抱える業界では、依然としてSESのニーズは残っています。
- 非IT企業(製造業、建設業、医療など)
- レガシーシステム(VB6、COBOL、オンプレ)
- 多重下請け構造の末端
- テスト業務やデータ入力などの人海戦術が求められる作業
- 情報システム部門の支援(ITリテラシーの低い現場)
実際、私自身も最近BASICに似たような言語のフローチャートを作成する機会がありました。まだまだ古いシステムは現役で稼働しています。
高単価SESに求められるスキルとマインドセット
一方で、AIを活用する前提の現場では、高単価でも成果を出せるエンジニアが強く求められています。
- ChatGPTやGitHub CopilotなどのAIツールの活用
- フロントエンドからインフラまでをカバーするスキル
- プロジェクト推進力やチームリード能力
- ドキュメントやテストの自動生成設計
私も昨年から、お客様から「AIを使って生産性を上げる方法を考えてほしい」と依頼される機会が増えました。お客様自身もAIの活用方法に迷っている状況であり、そこで価値を出せる人材が今後より重要になると感じています。
最もリスクが高い“中間層”のSES
もっとも厳しいのは、スキルが中途半端で成長が止まっているSESエンジニアです。
- 特化したスキルがない
- AIを活用していない
- 要件定義や設計といった上流経験がない
- 長期間同じような案件で成長が停滞している
私自身、20〜30代の頃は炎上案件が多く、毎日残業に追われて勉強する余裕もなく、似たような案件を繰り返すばかりでした。そのため、成長が止まっていると感じることがありました。
40代エンジニアとしての取り組み:不安への処方箋
将来の不安に備え、私は以下のような取り組みを日常的に実践しています。
- AIを積極的に活用する(ChatGPT、Kling、Difyなど)
- 自作アプリ開発で実践的スキルを広げる
- ブログや自分専用のWikiで情報を整理・発信する
- 要件定義や設計など上流工程の経験を増やす
- リーダーとしてメンバー育成やマネジメントに関わる
- 仕事以外の人間関係を築き、視野を広げる
とくにAIツールの活用は、プログラミングだけでなく設計や文章作成などにも役立っています。また、仕事以外の人との交流から得られる情報や視点は、柔軟な思考を育むのにとても効果的です。
結論:SESはなくならない、しかし大きく変わる
AIの登場によって、SESという働き方は次のように大きく変化していくと考えています。
- 単価の安いSES:依然として残るが、単純作業・補助的業務が中心に
- 単価の高いSES:AIを活用しつつ、自律的に価値を提供できるプロ人材
- 中間層のSES:淘汰されやすく、意識と行動の変革が必要
「自分はどのポジションにいるのか?」「このままで本当に良いのか?」
この問いを常に持ち続け、自分をアップデートし続けることが、SESエンジニアとして生き残るために欠かせないのだと、私は強く実感しています。
私自身、これからも学びを止めず、技術力・人間力ともに成長を続けたいと思います。
同じように不安を感じている皆さんにも、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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