『副業おじさん』を読んでわかった「副業の森」――私とあなたの物語

気づけばスマホ片手に「副業 初心者」「不労所得」「在宅ワーク」と検索している自分がいました。
情報はあふれているのに、どの道を選んでいいか分からない。手を出してみても長続きしない。まるで出口の見えない森を歩いているようでした。そんなとき、この感覚をそのまま言葉にしてくれた本と出会ったのです。
目次
『副業おじさん』とはどんな本?
若月澪子さんの著書『副業おじさん ― 傷だらけの俺たちに明日はあるか』(朝日新聞出版/2023年刊)は、
中高年男性たちが「副業」という選択肢に向き合う姿を描いたルポルタージュです。
この本の魅力は、キラキラした成功談ではなく、リアルな試行錯誤や挫折、そしてそこから見えてくる小さな希望を丁寧に追っているところにあります。
登場する「副業おじさん」たちは、工場や倉庫での夜勤、フードデリバリー、ラブホテル清掃、ライターや動画投稿など、実にさまざまな仕事に挑戦しています。なぜ彼らは副業を始めたのか、どんな困難に直面したのか、そしてその先に何を見出したのか――。
そこには、私たちが副業を考えるときに直面する迷いがそのまま描かれています。
本書の第1章では「副業の森」という言葉で、この迷いのプロセスを説明しています。
さらに副業に取り組む人がたどりやすい5つのフェーズ(夢見がち期/とりあえず期/クリエイティブ期/開き直り期/絶望とあきらめ期)も提示されており、
「自分はいま森のどこにいるのか」を振り返るきっかけになる内容です。
なぜこの本を紹介したいのか
副業に興味を持っているけれど、
「何から始めればいいのか分からない」
「やってみても続かない」
「本当に成果が出るのか不安」
そんな気持ちを抱えていませんか?
私自身、まさにその一人でした。そして今回紹介する若月澪子さんの『副業おじさん』は、そんな“迷える副業仲間”の姿をリアルに描いた本です。読んでいるうちに、自分の経験と重なり合う部分が多く、「これは読者の皆さんにも役立つ」と思ったので感想をまとめます。
本書で紹介される「副業の森」の5つのフェーズ
本書では、副業を始める人たちが通る“森の中の5つのフェーズ”が描かれています。
- 夢見がち期 ― 「知識や経験を活かして副業したい」と理想だけが膨らむ
- とりあえず期 ― ポイ活やアンケートなど小さな副業に手を出す
- クリエイティブ期 ― ブログ・動画・ライターに挑戦するが成果が出ない
- 開き直り期 ― 現金収入を優先してアルバイトや肉体労働へ転換
- 絶望とあきらめ期 ― 報酬の低さに疲れ、転々とするか辞めてしまう
この流れを読んで、「ああ、まさに自分だ」と共感しました。読者の方の中にも、このどこかに当てはまる経験があるのではないでしょうか。
私もさまよった「副業の森」
40代のコロナ前、私も副業を考えました。
- クラウドワークス・ランサーズに登録 → でも案件を選べず止まる
- ポイ活・アンケート・データ入力 → 「時給換算すると割に合わない」と挫折
- ブログ開始 → 5年続けて収入は5,000円、気持ちが折れかける
- 株式投資を開始 → 月1万積み立て、5年後に年間配当1万5,000円に
- ボランティア活動 → 月1,000~3,000円の報酬、小さな収入とやりがい
こうして振り返ると、私は「副業の森」を何度も迷い歩いてきたのだと思います。
読者のあなたに伝えたいこと(メリット)
私がこの本を読んで気づいた、読者視点でのメリットを3つ紹介します。
① 自分の現在地がわかる
「自分はいま夢見がち期?それとも絶望期?」と整理できると、次にやるべき行動が見えてきます。
② 迷うこと自体が“普通”だと知れる
成功事例ばかりではなく、失敗や挫折も当たり前だとわかるので「自分だけダメなのかも」という孤独感から解放されます。
③ お金以外の価値も見直せる
副業は収入だけではなく、学び・人とのつながり・やりがいも得られる。小さな報酬でも意味があるのだと実感できます。
まとめ:副業の森を一緒に歩こう
『副業おじさん』は、副業の“華やかな成功物語”ではありません。
むしろ、試行錯誤、挫折、現実の厳しさを描きながら、そこで見つかる小さな光を教えてくれる本です。
私自身、まだ森の中を歩いています。
でも、この本を読んで「迷うのも一歩」「行き来するのも自然」と思えるようになりました。
もしあなたが今、副業に悩んでいるなら、きっと共感できる部分があるはずです。
そして、自分に合った「小さな光」を探すヒントになるでしょう。
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