プロジェクトメンバーがAIで業務支援ツールを自主開発、その姿勢に感激

最近、生成AI(ChatGPTやClaudeなど)の進歩が驚くほど速く、現場での活用が話題になっています。私自身、この数カ月間のAIの急速な進化についてプロジェクトのメンバーに共有し、「今後エンジニアとしてキャリアを積むにはAIを活用していくことが必要だ」と伝えました。特にSES(システムエンジニアリングサービス)の業界では新技術への適応が重要であり、これからの業務効率化やスキルアップのためにAIを使ってみようと呼びかけたのです。
急速に進化するAI技術と現場への共有
私が携わっているプロジェクトには、他社から参加しているメンバーが数名います。彼らは20代後半から30代半ば(おおよそ29~35歳)で、経験年数3~5年ほど。プロジェクト参画からは1~3年経過しており、皆それぞれの持ち場で頑張ってくれています。私はと言えばチーム内で最年長で、もうすぐ50歳になります。年齢が10歳以上離れていることもあり、彼らのことをつい後輩のように感じ、頼りにしつつも時にアドバイスをする立場です。
そんな背景もあり、先日ミーティングの場で「ここ最近のAIの進歩は本当に速い。業務効率化やスキル向上のためにも、ぜひAIツールを活用してみよう」と伝えました。正直、これは少しおせっかいだったかもしれません。しかし、これからSESとして様々な案件で生き残っていく上で、AIを使いこなすスキルは必ず役立つと考えたからです。AIアシスタントや自動化ツールは今や身近になりつつあり、使うか使わないかで今後の生産性に差が出るでしょう。私はリーダー的な立場ではありますが、組織の上下関係を越えて同じプロジェクトに携わる仲間として共に成長していきたいという思いで、このメッセージを共有しました。
若手メンバーがSQL整形ツールを自主開発
その呼びかけから1~2週間ほど経った頃、プロジェクトメンバーの一人が驚きの行動を見せてくれました。なんと、自分でAIを活用した業務支援ツールを作り上げたのです。彼はAnthropic社の提供するAIコーディング支援ツール「Claude Code」を使い、SQL文のインデント(字下げ)を自動整形してくれる小さなアプリを実装してくれました。
このツールは、長いSQLクエリや複雑なSQLスクリプトのインデントを整理整形してくれるというものです。SQLを書く際、インデントが乱れていると可読性が下がり、レビューやデバッグがしづらくなります。彼の作ったアプリは、SQLの入力に対して適切に改行やスペースを入れ直し、綺麗なコーディングスタイルにフォーマットしてくれるものでした。いわば「SQLフォーマッター」のような簡易ツールですが、日々のちょっとした手間を省いてくれる実用的なアイデアです。
このメンバーは特にAI開発の経験があったわけではありません。それでも私の「AIを使ってみよう」という助言を素直に受け止め、自ら調べて新しい技術に挑戦し、実際に成果物を形にしてみせたのです。Claude Codeの使い方を学び、短期間でこのツールを完成させた行動力には目を見張るものがありました。
新しい技術を学び実践する姿勢に感激
私が一番嬉しかったのは、彼が自分から進んでこのツール開発に取り組んでくれたことです。こちらが少し背中を押した程度で、まさか本当に行動に移してくれるとは思っていなかったので、大変驚きましたし心から感激しました。
正直なところ、今回作ってくれたツール自体はシンプルで「ありきたり」かもしれません。しかし、新しい技術を自ら学び、それを実務に活かそうとする姿勢こそが何より価値があります。私はそれを目の当たりにし、エンジニアとして大切なものを再認識させられました。
彼のように自主的に学び行動できる人は、現場に良い影響を及ぼします。実際、このSQL整形ツールのおかげでチーム内のちょっとした業務効率が上がり、メンバー間でも「便利だね」という声が上がっています。それ以上に、「自分から提案して改善してみる」というカルチャーがチームに芽生えるきっかけにもなりました。私はリーダーという立場ではありますが、他社のビジネスパートナーである彼らに対しても、同じプロジェクトを進める仲間として成長してほしいと常々思っています。今回、その願いが通じたように感じられ、とてもありがたい気持ちです。
さらに付け加えると、私が言ったことを実際に実践してくれたことにも大きな感謝を覚えています。助言をする側にとって、相手が行動で応えてくれるのは何よりの喜びです。彼の姿勢は他のメンバーにも良い刺激となり、チーム全体の士気向上にもつながりました。
SESエンジニアこそ求められる継続学習と自主性
今回の出来事から痛感したのは、継続的な学習と自主的な行動の重要性です。特にSES業界では、配属先のプロジェクトで決められた業務をこなす日々が続くと、つい現状のスキルに安住してしまい、新しい技術の勉強がおろそかになりがちだと言われます。実際、私自身これまで多くのエンジニアと関わる中で「業務外ではあまり勉強しない」という人を多く見てきました。忙しさや環境要因もあるでしょうが、意識して学ばない限りスキルは時代遅れになってしまうのがこの業界です。
幸いにも最近は、オンラインで学べる教材やコミュニティ、そしてAIアシスタントのように学習を助けてくれるツールも充実しています。技術の進歩が速いIT業界では、5年前の主流技術が今は廃れていることも珍しくありません。常に新しいツールやフレームワークに触れ、スキルをアップデートし続けることが、エンジニアとしての市場価値を維持・向上するカギになります。逆に言えば、学びを止めてしまうとスキルが陳腐化し、キャリアが停滞してしまう危険すらあります。
では、なぜ自主的に学ぶことが大切なのでしょうか?主なポイントを挙げてみます。
- 技術の陳腐化を防ぐ: 新しい技術トレンドに追いつくことで、特定の古いスキルに固執せず幅広い案件に対応できるようになります。学習を怠らなければ、どんな現場でも柔軟に活躍できるでしょう。
- 業務効率・品質の向上: 今回のSQL整形ツールの例のように、AIを含む新技術は日々の作業を効率化したり品質を高めたりする強力な手段です。自ら提案し導入することで、チーム全体の生産性向上にもつながります。
- 信頼と評価につながる: 自主的に学んだ知見をプロジェクトに活かせば、周囲からの信頼も得られます。現場で求められるスキルをいち早く習得し活用する姿は、クライアントや上司から見ても心強く映るものです。このような自主的取り組みは結果的に評価にもつながり、キャリア面でもプラスになるでしょう。
最後に:共に成長できる喜び
今回、若手メンバーが見せてくれた成長への意欲と行動力は、私にとっても大きな刺激となりました。「教える側」もまた学ばせてもらったと言える出来事です。年齢や所属企業の違いはあっても、同じ目標に向かうチームとして互いに高め合えるのは本当に素晴らしいことだと実感しています。
私はリーダーとはいえ所属の異なるビジネスパートナーという立場ですが、プロジェクトを通じて得られる縁を大切にし、これからもメンバーの成長を後押ししていきたいと思います。もちろん私自身も学び続け、新しい技術にチャレンジし続ける姿勢を忘れないようにしたいです。
エンジニアにとって学びに終わりはありません。 AIのような革新的ツールもうまく取り入れながら、共に切磋琢磨し成長していけるチームでありたい――今回の出来事を通じて、改めてそう強く感じました。今日の喜びと感動を胸に、明日からもまた前向きに取り組んでいこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからも現場での気付きや学びを発信していきたいと思います。共に成長していきましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントをお待ちしています。